合同会社設立からの徒然を書いています


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文化財建造物の保存修理 仁和寺(観音堂、御影堂) 2013年

今年も「文化財建造物保存修理現場」を見学して来ました。

見学申込者が多いと抽選になります。
幸い、
「仁和寺 観音堂・御影堂」
「旧三井家下鴨別邸」
の2カ所を見学することが出来ました。

仁和寺 観音堂と御影堂の様子を載せておきます。

仁和寺は平安初期の創建ですが、
京都の寺院の多くと同じで、応仁の乱で焼失しています。
江戸初期家光の頃に再建されています。
文化財建造物の保存修理 仁和寺(観音堂、御影堂) 2013年_a0164068_1457486.jpg


観音堂は千手観音菩薩を本尊とするお堂です。
「観音堂」も江戸初期の建造物で、
以降大規模な修理はなく、
今回が初めての根本的な修理と言う事です。

修理の方法は、半解体修理で、
現在は、屋根から瓦が降ろされ、
木部の解体が始まったところです。

全体は素屋根に覆われています。
文化財建造物の保存修理 仁和寺(観音堂、御影堂) 2013年_a0164068_14583140.jpg

先ずは、足場を登って屋根修理の見学です。
瓦が取り除かれた状態
文化財建造物の保存修理 仁和寺(観音堂、御影堂) 2013年_a0164068_14593266.jpg

鬼瓦も傍らに置かれていました。
文化財建造物の保存修理 仁和寺(観音堂、御影堂) 2013年_a0164068_14595832.jpg

屋根内部の構造材は曲がりくねった原木が使われています。
3年前清水寺の朝倉堂を見学した時に初めて目にして驚きました。
やはりここでも曲がりくねった木が使われています。
文化財建造物の保存修理 仁和寺(観音堂、御影堂) 2013年_a0164068_1505484.jpg

木材の腐朽が進んでいるのが分ります。
文化財建造物の保存修理 仁和寺(観音堂、御影堂) 2013年_a0164068_1502475.jpg

解体の為に各部材には位置を示す番付札が貼られています。
文化財建造物の保存修理 仁和寺(観音堂、御影堂) 2013年_a0164068_1512134.jpg

足場越しに五重塔が見えてました。
文化財建造物の保存修理 仁和寺(観音堂、御影堂) 2013年_a0164068_1522193.jpg


堂の周りは、廊下や段も既に外されていました。
文化財建造物の保存修理 仁和寺(観音堂、御影堂) 2013年_a0164068_1524625.jpg

観音堂の堂内は、極彩色の仏画が描かれています。
文化財建造物の保存修理 仁和寺(観音堂、御影堂) 2013年_a0164068_153529.jpg

扉や釘隠等の金具も取り外されています。
文化財建造物の保存修理 仁和寺(観音堂、御影堂) 2013年_a0164068_1533623.jpg



御影堂では檜皮葺の屋根の修理が行われていました。
「御影堂」は弘法大師空海の御影を安置するお堂です。
やはり江戸初期寛永年間に建立されています。

素屋根に覆われ、葺き替え作業の真っ最中です。
文化財建造物の保存修理 仁和寺(観音堂、御影堂) 2013年_a0164068_1541064.jpg

文化財建造物の保存修理 仁和寺(観音堂、御影堂) 2013年_a0164068_155647.jpg

文化財建造物の保存修理 仁和寺(観音堂、御影堂) 2013年_a0164068_1544468.jpg

檜皮を下から1.2㎝ずらして、横へ葺いていきます
1枚の檜皮の長さが75㎝位なので60枚位重なるそうです。
厚さ1.5mmとして、9㎝位の厚さになります。
文化財建造物の保存修理 仁和寺(観音堂、御影堂) 2013年_a0164068_15115249.jpg

使われる道具類
文化財建造物の保存修理 仁和寺(観音堂、御影堂) 2013年_a0164068_1555467.jpg

竹釘と檜皮
文化財建造物の保存修理 仁和寺(観音堂、御影堂) 2013年_a0164068_156152.jpg


今回の仁和寺の修復は、
この他「金堂」の蔀戸の修理も併せて、
平成30年3月まで5年間の予定で行われます。


「文化財建造物保存修理」については、
京都府文化財保護課のホームページに詳しく載っています。
http://www.kyoto-be.ne.jp/bunkazai/cms/?page_id=55

修理の歴史
http://www.kyoto-be.ne.jp/bunkazai/cms/index.php?action=pages_view_main&page_id=47
修理の進め方
http://www.kyoto-be.ne.jp/bunkazai/cms/index.php?action=pages_view_main&page_id=48


単に修理と言う事でなく、
創建時の建築様式、技法、これまでの修理技法、経過の調査、研究であり、
将来への伝承、継承であることを強く感じます。
その様な場が広く公開されることに大きな意義を感じています。
by ssknblg | 2013-11-03 15:19 | 四季 | Comments(0)