文化財建造物の保存修理 東寺観智院客殿 2015年
2015年 10月 31日
今年は、東寺観智院の客殿(国宝)修理の様子を、
見学させて頂きました。
観智院は東寺北大門の北、櫛笥(くしげ)小路に面して建っています。
観智院については下記ホムページを参照して下さい。
http://www.toji.or.jp/kanchiin.shtml
今回の修理内容については、
京都府文化財保護課のパンフレット
「継承 この一刻が歴史となる」から引用『』しておきます。
修理の内容
『客殿は、大正15年(1926)から昭和2年(1927)にかけて
解体修理が行われ、
その際に防災上の観点から、屋根を銅板葺に改められました。
その後90年が経過し、屋根銅板葺が耐用年限に達していました。
今回の修理では、
周囲の防災上の問題が改善されていることから、
現状の銅板葺屋根を取り解き、
杮葺(正面の軒唐破風は檜皮葺)屋根に復します。』
「文化財保存修理」が、単に修理、現状維持をするのでなく、
調査、研究に基づき創建時本来の姿に戻すことを、
使命とされていることが良く分かります。
さて今回の見学ですが、その杮葺の作業を見学しました。
杮葺きの作業を見学するのは、初めてです。
昭和2年の修理時の棟札
作業は、檜皮葺と同じで、
横へと板を口に含んだ竹釘で留めて行きます。
上下にずらす間隔は3㎝と檜皮の場合より広めです。
板の長さが30㎝とのことですし、10枚が重なることになります。
板の厚さは3mmほどですので、葺かれた厚さは3㎝ということになります。
木の板でこんな優美な曲線ができるとは
斜めに切ることで、割れ難くし、曲げることが出来るとの事です。
下から見ると、不規則に板の間には隙間が出来ています。
それが水を含む(毛細管現象)ことを防ぎ、通気を促して
木材の耐久性を向上させているそうです。
また所々銅板が挟まれています。
これも腐朽を防ぐそうです。
色々なことが工夫されています。
唐破風部分は檜皮葺になります。
大きな素屋根、足場も木材で建てられています。
ここでも技術の継承が図られています。
屋根以外の所は、
木部、建具、金具、壁、畳等の傷んだ箇所の修理が行われています。
「上段の間」と「羅城の間」の様子
毎年思うことですが、
現状を維持するというより、
調査、研究に基づき、本来の姿に戻す積極的な修復である事、
そしてその大変な努力に感銘を受けます。
文化財保護課のホ-ムページ
http://www.kyoto-be.ne.jp/bunkazai/cms/
修理の進め方については、
http://www.kyoto-be.ne.jp/bunkazai/cms/?page_id=48
見学させて頂きました。
観智院は東寺北大門の北、櫛笥(くしげ)小路に面して建っています。
観智院については下記ホムページを参照して下さい。
http://www.toji.or.jp/kanchiin.shtml
今回の修理内容については、
京都府文化財保護課のパンフレット
「継承 この一刻が歴史となる」から引用『』しておきます。
修理の内容
『客殿は、大正15年(1926)から昭和2年(1927)にかけて
解体修理が行われ、
その際に防災上の観点から、屋根を銅板葺に改められました。
その後90年が経過し、屋根銅板葺が耐用年限に達していました。
今回の修理では、
周囲の防災上の問題が改善されていることから、
現状の銅板葺屋根を取り解き、
杮葺(正面の軒唐破風は檜皮葺)屋根に復します。』
「文化財保存修理」が、単に修理、現状維持をするのでなく、
調査、研究に基づき創建時本来の姿に戻すことを、
使命とされていることが良く分かります。
さて今回の見学ですが、その杮葺の作業を見学しました。
杮葺きの作業を見学するのは、初めてです。
昭和2年の修理時の棟札
作業は、檜皮葺と同じで、
横へと板を口に含んだ竹釘で留めて行きます。
上下にずらす間隔は3㎝と檜皮の場合より広めです。
板の長さが30㎝とのことですし、10枚が重なることになります。
板の厚さは3mmほどですので、葺かれた厚さは3㎝ということになります。
木の板でこんな優美な曲線ができるとは
斜めに切ることで、割れ難くし、曲げることが出来るとの事です。
下から見ると、不規則に板の間には隙間が出来ています。
それが水を含む(毛細管現象)ことを防ぎ、通気を促して
木材の耐久性を向上させているそうです。
また所々銅板が挟まれています。
これも腐朽を防ぐそうです。
色々なことが工夫されています。
唐破風部分は檜皮葺になります。
大きな素屋根、足場も木材で建てられています。
ここでも技術の継承が図られています。
屋根以外の所は、
木部、建具、金具、壁、畳等の傷んだ箇所の修理が行われています。
「上段の間」と「羅城の間」の様子
毎年思うことですが、
現状を維持するというより、
調査、研究に基づき、本来の姿に戻す積極的な修復である事、
そしてその大変な努力に感銘を受けます。
文化財保護課のホ-ムページ
http://www.kyoto-be.ne.jp/bunkazai/cms/
修理の進め方については、
http://www.kyoto-be.ne.jp/bunkazai/cms/?page_id=48
by ssknblg
| 2015-10-31 21:34
| 四季
|
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